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脚本 第6話「先生が離れて行く」
このコーナーではスチュワーデス物語の名場面を脚本形式で再現します。

新藤真理子の義手

52
マルセイユ・港
チャーターした船でクルージングする村沢浩、新藤真理子
53
同・港・船上
新藤真理子
「あたしたちの愛はエックス・アン・プロバンスの町で生まれて、このマルセイユで育って華が咲いたわ。浩、もう一度はじめからやり直してみない」
村沢浩
「やり直す?」
新藤真理子
「そう」
立ち上がる真理子
新藤真理子
「あなたも航空会社を辞めてこのマルセイユであたしと一緒に暮らすの。二人の生活費くらい父が出してくれるわ。窓から港の見えるアパルトマンを借りて。あたしたちの新しい愛を育てるのよ。ねえ浩、すばらしいアイデアでしょ」
村沢に抱きつきキスをする真理子
その様子を岸から見てしまい、船の後をつける千秋
村沢と真理子のキスシーンのアップが映る
息を呑むように後をつける千秋
街灯の影に隠れる千秋
54
同・港
港が移る
55
同・港
海沿いを歩く村沢、真理子
新藤真理子
「あたしたちの古い恋は歪んで狂ってめちゃくちゃになってしまったわ。このままだと、お互いに傷付け合うだけだし不幸なるばかりよ。二人が幸せになるためには新しい恋を育てるしかないの」
村沢と真理子の至近距離までつけてきた千秋
56
同・港・灯台
新藤真理子
「マルセイユは太陽の町よ。暖かい地中海の太陽に照らされてあたしたちの新しい愛もきっとすくすくと育つわ」
村沢の方を振り向く真理子
新藤真理子
「浩そう思わない?」
村沢浩
「君の気持ちはよく分かるけど」
新藤真理子
「じゃあ航空会社に辞表を出して。今日からあたしとこのマルセイユで一緒に暮らしてよ」
村沢浩
「今日から?」
新藤真理子
「そうよ。あたしたち婚約してるんでしょ。誰にも遠慮することなんかないわ」
村沢浩
「ちょっと待ってくれよ。君とこのマルセイユに暮らすのはいいけど。3ヶ月、3ヶ月後にしてくれ」
村沢の方を振り向く真理子
新藤真理子
「3ヶ月。どういうこと?」
村沢教官
「俺は今スチュワーデス訓練生の教官だ。今教えてるクラスの子がみんな、訓練センターを卒業して一人前のスチュワーデスになるには後3ヶ月かかる。それまで俺は見届けたいんだ」
新藤真理子
「クラスの子がみんな?それは嘘でしょ。あなたが育てたいのはあの松本千秋ってこ1人よ。それも教官として教育するんじゃなくて一人の男として可愛がりたいんだわ。だからパリまであの娘を連れて来たのよ。同じホテルに泊めたりして。一体どうするつもり?」
突然千秋が現れる
松本千秋
「ち、違います。私が勝手にパリまで教官を追っかけてきたんです」
村沢浩
「松本、お前、どうしてここへ」
松本千秋
「す、すいません。あたし、我慢できなくて、つい教官のメッセージを頼りに」
新藤真理子
「メッセージを残すあなたもあなた。マルセイユまで追っかけてくるあなたもあなた。大変な度胸ね。恐い娘だわ。だけど浩、こんなこのどこがいいの。三流高校出の泥臭いムスメ。頭が悪くてドジで、この娘ぱりっとしたスチュワーデスになりたいんでしょうけれど、醜いアヒルが白鳥になれるのは童話の世界だけ。現実の社会ではどう逆立ちしたって無理よ」
村沢浩
「いや、その無理を通してスチュワーデスに育てるのが俺たち教官の仕事だ」
新藤真理子
「このこはね、雑草も雑草。最低の泥だらけの雑草よ。浩こんなこのためにあたしと一緒に暮らせないの」
村沢浩
「いや。一緒に暮らすよ。結婚もするつもりだ。ただ3ヶ月、3ヶ月待ってくれと言ってるだけなんだよ」
新藤真理子
「待てないわ。あたしは今日からあなたと一緒に暮らしたいのよ。浩、婚約者のくせにあたしの頼みがきけないの?わかったわ、あたしあなたに頭を下げてまでお願いするほど安っぽい女じゃの。あたしは誇りの高い蘭の花よ、蘭の花。その蘭の花を見捨てて雑草を可愛がるのはどういうわけ?このこにはちゃんと両手があってあたしには一本の手も無いから?」
口で義手の手袋を外す真理子
松本千秋
「ふーふふ、ふーふふ」
とおびえる
義手を村沢の目の前に突き出す真理子
新藤真理子
「浩、あなたがあたしを愛さないなら他の女に渡したっていい。だけどこの松本千秋にだけには絶対に渡さないわ」
千秋に近づく真理子
新藤真理子
「あたしはね19歳の時にこの両手を失ったの。あなたも19。よく動く両手を持ってるわね。それだけでも許せないのよ。この手であなたを絞め殺してでも、浩は渡さないから。よく覚えててね。浩」
真理子の手袋をつける村沢
新藤真理子
「車でこの娘をパリまで送ってあげたら?途中でせいぜい別れを惜しむことね。あたしは1人で帰るわ」
立ち去る真理子
座り込む千秋
村沢浩
「松本、どうした?」
と千秋の肩を持つ
松本千秋
「教官、真理子さんの手。あの手は」
村沢浩
「わけは話してやる。付いてこい」
千秋を抱き起こす村沢
砦が映る
岸辺に座る村沢、千秋
村沢浩
「真理子はな、3歳の時から天才ピアニストだった。その才能はパリのコンセルバトワールでますます磨かれて、俺と付き合うようになってからも毎日、毎晩ピアノを弾きまくっていた」
57
回想シーン
ピアノでハンガリー狂詩曲を弾く真理子
村沢浩
「(OFF)真理子の両手の指は美しい魔法の指だった。ピアノのキーの上で軽やかにダイナミックに踊っていた」
真理子のピアノを傍らで聞く村沢
58
マルセイユ・港
立ち上がり歩き出す村沢、千秋
村沢浩
「そしてついに真理子はウイーンのピアノコンクールで優勝した。俺も彼女も底抜けに喜んでスイスのゲレンデでスキーを思い切り楽しんでた。二人とも浮かれすぎていたのか急斜面を猛スピードで滑り降りたとき、俺たちは衝突、雪の中に放り出されたんだ」
59
回想シーン・スイス・ゲレンデ
衝突し倒れている真理子
村沢浩
「(OFF)真理子の怪我はただの怪我ではなかった」
村沢浩
「真理子。真理子」
村沢浩
「(OFF)彼女の鍛えぬかれた10本の指は俺のスキーに押しつぶされて骨がめちゃくちゃに砕けていたんだ」
真っ赤になった真理子の手袋を見る村沢
村沢浩
「(OFF)しかも手当てが遅れたために化膿して両手は手首から切断されてしまった」
60
回想シーン病院
ベッドで義手を見つめる真理子
村沢浩
「(OFF)10本の義手の指はピアノを弾くどころか動きもしなかった」
義手を見て愕然とする真理子
それを見て何もいえず下を向く村沢
「(OFF)新藤真理子のピアニストとしての命はまだ19歳の若さで終わってしまったんだよ」
61
マルセイユ・港
村沢浩
「誇り高い彼女は指を失ったことを隠したまま引退してしまった。スキー事故に責任を感じた俺は彼女に結婚を申し込んだんだ。しかしその時真理子は19俺は21の若さだ。彼女は結婚を少し延ばしてくれと言った。ところがそのうち彼女はだんだん俺の愛を疑いはじめた。ただの同情や哀れみだけの結婚、償いのためだけの結婚と決め付けるんだ。二人の関係はだんだん荒れて、とうとう俺は真理子を愛せなくなってしまった」
松本千秋
「じゃあ、どうして真理子さんはいつも教官を?」
村沢浩
「追っかけまわすというのか?本当の愛を俺に求めているんだよ。 」
松本千秋
「そ、それで教官は?」
村沢浩
「俺が今愛してるのは、新藤真理子じゃない。松本、お前、お前なんだよ 」
千秋の肩を持つ村沢
松本千秋
「わ、私を」
村沢浩
「そうだ。確かにお前は、内気で臆病でドジでまぬけだよ。しかしな、自分の夢を実現するためだったら恥も外聞もない。命懸けで何にでも体当たりしてめちゃくちゃに突っ走る。俺はそんなひたむきながむしゃらなお前が好きだよ 」
松本千秋
「教官、私の夢って何かご存知ですか?」
村沢浩
「一人前のスチュワーデスになること。 」
松本千秋
「そ、それだけですか?教官」
村沢浩
「もう一つある。俺を愛することだ。そうだろ?」
松本千秋
「教官!」
と村沢に抱きつく千秋
村沢浩
「松本、しかし俺には新藤真理子がいる。他の女を愛せないんだよ。スキーの衝突は事故だけど、真理子から10本の指を奪ったのはやっぱり俺だ。俺は自分の一生をかけて真理子を見守っていく」
頭を抱える千秋
松本千秋
「真理子さんてかわいそうな人、教官てやさしい人、でも、私どうしたらいいのかしら」
村沢浩
しゃがみこむ千秋
「俺は自分の一生を真理子に渡した。これが俺のやり方なんだよ。松本」
千秋を抱き起こす村沢
松本千秋
「教官、私どうしたらいいんです?教えてください。教官!」
と村沢の方をつかみゆさぶる
村沢浩
「松本、これからの3ヶ月、俺はお前をしごきにしごいて、必ず訓練を突破させてやる。一人前のスチュワーデスにしてやる。こいつがお前えへの俺の愛だ」
千秋の肩を持つ村沢
松本千秋
「じゃあ、卒業までの3ヶ月間、教官のことめいっぱい好きになっても、それでもいいですか?許してくれますか?」
村沢浩
「卒業までか、いいよ。ただし3ヶ月の訓練が終わって、おまえがスチュワーデスになったら俺たちは他人だ」
松本千秋
「はい」
村沢浩
「道で俺に会っても顔を見るな。口もきくな」
松本千秋
「はい。わかっています」
62
マルセイユ・港近くの坂道・夕暮れ
坂道をゆっくり下る村沢と千秋
松本千秋
「教官」
ふりむく村沢
なかなか言い出せない千秋
村沢浩
「松本、スチュワーデスになりたかったらはっきりと口をきけ」
松本千秋
「はい、私と手をつないで歩いて下さいますか?」
村沢浩
「ああ、いいよ」
千秋の手を取る村沢
村沢浩
「松本、俺たちが顔を合わせて話し合えるのもあと3ヶ月だけだ。うんと楽しい3ヶ月にしようじゃないか」
後ろを振り向く村沢
松本千秋
「はい」
千秋の涙をハンカチで拭く村沢
松本千秋
「でもこのまま時が止まって、いつまでも今、今が続けばいいのに」
再び千秋の手を取り歩き出す村沢
千秋を振り返る村沢
63
パリ・街中
凱旋門が映る
64
パリ・シャルル・ドゴール空港近く道路
ロビーアナウンス
「(OFF)
65
同・空港ロビー
村沢たちクルーが歩いてくる
村沢の姿を見つけソファーから立ち上がる千秋
松本千秋
「教官!」
村沢教官
「松本、訓練センターを卒業したらお前は一人立ちする」
千秋の肩を持つ村沢
村沢教官
「そしてだ、5000人のスチュワーデスの中で一番かっこいいスマートなスチュワーデスになれ。わかったか?」
松本千秋
「はい」
通り過ぎていくスチュワーデスを目で追う千秋、村沢
字幕・次回を おたのしみに!

(2005/12/28改)
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