くれない寮-スチュワーデス物語-脚本第20話「ないしょ話」-100℃でHEARTBEATで踊り狂う千秋

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このコーナーではスチュワーデス物語の名場面を脚本形式で再現します．

100℃でHEARTBEATで踊り狂う千秋
22	くれない寮・談話室
	ラジカセが映り100℃でHERATBEATがかかっている
木下さやか	「(OFF)いぇーい」
中島友子	「(OFF)へーい、へーい、へーい、
	音楽に合わせてHIROSHI'S478Tシャツで踊りまくる千秋
木下さやか	「(OFF)千秋、へーい」
中島友子	「(OFF)へーい」
	談話室のドアを開けて様子をうかがう石田信子
中島友子	「(OFF)千秋、いぇーい」
	千秋の後ろで一緒に踊っているさやか、友子、池田兼子、落合克美踊るのをやめ、千秋の様子を見ているさやか、友子、兼子、克美全員合格　かんばろうね　の看板が映る全員合格のポスターが映るラジカセが映る全員合格のポスターが映る
23	同・玄関
	村沢教官がスリッパを履き廊下を歩いてくる
24	同・談話室
	村沢がやってきて頭を下げる信子村沢に気づくさやか、友子
中島友子	「あ、ちょっと、ちょっと！」
	村沢に気づかず踊り続ける千秋カセットを止める村沢ようやく村沢に気づく千秋
村沢教官	「松本！何だ踊りなんか踊って！最終試験は目の前なんだぞ！みんな食事や睡眠の時間を惜しんで勉強している時に、何だこのざまは！お前は踊りながら試験に合格できる秀才なのか！お前はドジでのろまな松本千秋だ！人の何倍何十倍勉強したって合格するかどうか分らない。浮かれている時じゃないだろう。そんなたるんだ気持ちだから、飛行機に酔うんだ！何をやってもふらふら、よろよろ。ひっくり返ったり、転んだり。恥ずかしくって見ちゃいられないよ。人間緊張していれば、絶対船や飛行機に酔わない。分かってるのか！」
松本千秋	「はい」
25	同・廊下
	去っていく村沢を呼び止める千秋
松本千秋	「う、教官！」
村沢教官	「何だ、恐い顔をして」
	と振り向く
松本千秋	「聞いて下さい！教官！」
	と村沢のところに駆け寄る
松本千秋	「私が今日一日中ふらふら酔っていたのは試験や訓練を受けるのがとっても恐かったからなんです」
村沢教官	「松本、何度も言ってるだろ。失敗や落第を恐れ…」
松本千秋	「違うんです、教官！私、最終試験に合格して訓練所を卒業したらその時こそ、もう、教官と離れなければならない、一人で生きて行かなければならない。そう思ったら私、頭がクラクラして、目眩がして、吐き気がしてきたんです」
村沢教官	「松本」
松本千秋	「私、もう、訓練やテストなんかどうなってもいい。ただ、教官から離れたくない。そう思うとだんだん酔いがひどくなってきて、どうしようもなくなってきたんです」
	村沢に背を向け壁に向かい、階段に座り泣きじゃくる千秋
村沢教官	「松本、もう泣くな。理由も聞かずに、ただガミガミ怒鳴り付けた俺が悪かった、このとおり謝るよ、許してくれ」
	千秋の肩を抱く村沢
村沢教官	「松本」
	洗面所に向かい、何度も顔を洗う千秋
村沢教官	「松本、お前の気持ちはよく分かったが、やっぱりお前をスチュワーデスにするのは俺の夢なんだ。たった一つの生きがいなんだよ
	泣きじゃくる千秋
村沢教官	「松本、どんなに辛くても、どんなに苦しくても、俺と力を合わせてスチュワーデスになってくれ。頼むよ、松本！」
松本千秋	「分りました、教官！訓練やテスト中に絶対に酔いません！教官の夢のために必ずスチュワーデスになります！安心して下さい、教官！」
	千秋の濡れた顔を丁寧に拭いてやる村沢



協力：風間千秋さん (2005/12/28改)